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お知らせ

電波障害?何それ?

お忙しい中、弊社ホームページをご覧頂きまして誠にありがとうございます。

さて、お盆休みも明けて少しは涼しくなるかと思いきや今日も猛暑の埼玉ふじみ野です。毎日のように夕方になるとスコールと落雷に見舞われておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

2011年7月24日にアナログ放送が終了し地上デジタル放送へと完全移行して早13年。当時はどのテレビ局でも毎日CMで地デジカがアナログ放送終了スケジュールを告知していたのを思い出します。創業以来弊社が得意とする業務のひとつにテレビ電波障害に関連する工事があります。テレビに関する工事を生業にする皆様にはお馴染みな言葉ですが一般的には余り聞かないであろう「電波障害」に関連する業務です。では電波障害っていったい何ぞや?って言われると、アナログ放送時代は東京タワーから、デジタル放送の現在はスカイツリーから発信されたテレビ電波が地形や建造物の複合的な影響によって各家屋まで上手く届いておらず、到達までに受信レベルが大幅に低下していて個別のアンテナではテレビ視聴が難しくなっている状況だと言えます。この電波障害を解消するための施設というのが、障害となっている建物の屋上や周辺地域の受信可能な代表的な場所に大型のアンテナ設備を建設し、そこから障害の影響を被る建物全てに対して有線ケーブルを敷設した一帯の設備を電波障害解消施設と呼びます。弊社も電波障害に関する業務に長らく取り組んでおりますが、地上デジタル放送へと移行した2011年以降、電波障害に対する概念や関連する業務も大きく様変わり致しました。アナログ放送だった時代を思い出すとテレビの異常と言ったら画像がチラチラしたり歪んで2重に見えたりするいわゆるゴーストが発生する機会も多く、私が子供の頃は画面がチラチラし始めると両親が頻繁にテレビをバンバン叩いて様子を伺っていました。しかし現在、テレビ自身もブラウン管から液晶、更に有機ELへと刻々と進化を重ねていますし、画素数においても4K・8K商品が主流となりもはや2Kに相当するフルハイビジョンなんて言葉すら聞く事も皆無になりました。アナログからデジタル放送に変わったらゴーストも解消されてテレビを叩く光景も見なくなったというか、ブラウン管の分厚いテレビじゃ無くなった現代の薄型テレビでは叩ける場所すら見当たりませんよね。
で、この電波障害という言葉ですが、現在は全て解消されて過去の遺物になったのかというとそういう訳でもありません。東京タワーからスカイツリーに変わって送信位置も高くなり電波の質も変化して障害の発生は大幅に改善されてはいます、しかし受信箇所の立地状況によっては未だに障害が発生している場所もあり有線でのテレビ視聴が欠かせない地域が残っているのも事実です。ですが、弊社でもデジタル化以降は新たに電波障害解消のための施設を新規構築する機会はほぼ無くなり、現在受注している関連業務は古くなった施設の撤去工事がほとんどを占めています。

という訳で超長い前振りになってしまいましたが、今回はアナログ時代からの古くなった電波障害施設撤去工事の様子を紹介したいと思います。15世帯程度の規模ですので小型と言えますが、接続軒数と伝送路の長さの違いだけなので大型施設であっても同様の手順で工事を行います。

撤去工事の依頼を頂いたら、まずは工事を行う前に現地での事前調査としてアンテナの受信点設備を確認し、全てのケーブル線引込済みの建物を調査して現在のテレビ視聴方法を確認します。視聴方法は大きく分けると、「今回撤去対象の施設を利用中」「個別にアンテナを建てて視聴中」「現地のCATVサービスを利用中」の3通りに分別出来ますので、施設の大小に関わらず全軒の目視調査と並行して訪問調査を実施し、施設利用中の建物を確定して新たにテレビ視聴対策が必要な建物を限定します。その後、撤去対象施設を利用中の建物には新規アンテナ設置等の対策工事の案内を行い、撤去工事に先立てて個別に全ての対策工事を完了させます。必要な対策工事が済んでしまえば、残っているのは個別アンテナ視聴中とCATV利用中の建物なので、事実上撤去対象施設を利用してテレビを視聴している建物は無くなります。個別の事前工事が全て完了出来たこの段階まで進めてやっと施設全体の撤去準備が整いました。次に施設撤去の工事日程を決め案内文を作成し全軒に配布します。撤去工事は①全軒の引込線撤去 ②幹線(伝送路)撤去 ③当該施設用の専用柱撤去の順に三段階の流れで行い、天候にもよりますがおおよそ3日間~4日間で実施する予定です。

今日の作業員は茨城営業所から駆けつけてくれたベテラン椎名さんと経験3年目の新沼さんです。今回は新規アンテナの設置軒数が少ないので、個別アンテナ工事と幹線撤去を同時に進めます。

まずは撤去対象施設を利用中の建物の屋根上に新規アンテナを設置します。
必要部材を地上で準備して高所作業車に積み込んでいざ屋根へ登ります。


屋根に登ったら安全対策を実施して設置工事を始めます。


天気も良かったのでアンテナ本体は大きな問題なく設置が完了しました。
次はアンテナを支える四隅のワイヤー(支線)を張ります。
この作業は危険を伴うので何百回経験していても油断は絶対に禁物です。

高所作業車では届かない場所の作業は相棒に後ろから支えてもらいながら慎重に手を伸ばして建物の角に金具を固定して支線を取付けます。一番の危険個所なのでここが終わればとりあえず一安心。


無事アンテナ設置が完了しました。必要な新規アンテナ工事を全軒済ませたら次は幹線の撤去です。屋根から降りて地上で次の作業の準備を行い、早速幹線撤去の段取りに入ります。


今回は範囲も小さいので数時間のうちに幹線撤去は完了です。
幹線と同時に柱に装備された腕金類の装柱材も撤去します。とても大きく重いので慎重に。

これで全ての建物の引込線と幹線の撤去が完了したので最後はいよいよ専用柱の撤去です。範囲が小さいとはいえ東京電力柱の他に電波障害用として鋼管柱5本が設置されていたので全てを撤去します。施設が古く図面が存在しない場合の柱は土中に埋まっている部分の施工方法が不明なので、道路を保護する観点から単純にクレーンを使って上に引き抜く訳にはいきません。今回は地上に露出している根元に近い部分で慎重に切断して埋め戻す方法を選択しました。

まずは地上から適度な高さでバンドソーを使用して上部をクレーンで固定しながら切断します。

次はサンダーで切り込みを入れながら更に細かく切断していきます。



根元に近い部分が激しく腐食して相当に薄くなっている様子が確認できます。
ここまで腐食していると倒れて事故を起こしてしまう前に撤去出来て良かったと心底思います。

抜柱前後の様子です。残った柱の穴も砕石と砂で埋め戻して問題なく完了です。


囲いのコンクリート枠も傷つけることなくキレイに作業完了。
同様の作業で残りの柱も切断を繰り返して撤去工事は全て完了です。当日は天候にも恵まれ住民様の深い理解と協力の中で作業出来ましたので事故を発生させる事無くスムーズに進んで予定より早く終了する事が出来ました。電波障害施設の撤去工事はこのような流れで行い、施設の大小に関わらず概ね同様に進みます。工事スキルや経験値は勿論ですが、何よりも作業を行うペア同士の信頼感とチームワークが工事の安全に繋がっていることが良く分かって頂けたと思います。弊社では常日頃から安全を第一に掲げて慎重な作業と丁寧な対応を心掛けております。今後も一人一人の作業員が高い安全意識を自覚して全ての工事に臨める様精進して参ります。

今回は電波障害施設撤去工事の作業風景をピックアップしてみました。
弊社HPのお知らせではゴルフやら釣りやら社員旅行といった恒例社内イベント紹介の他にも、各種業務のご案内や作業風景写真を通じて弊社をより深く知って頂ければと思っておりますので、今後も変わらずご贔屓頂ければ何より幸いに存じます。

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